証券アナリスト[経済] 参考書の解説は不親切

私は証券アナリスト試験[経済]に2回落ち、3回目で合格しました。
経済学部出身ではない私は1回目、2回目の試験問題をなんとなくの「イメージ」で解こうとしていました。
しかし、それでは選択肢に紛らわされ適切な答えにたどり着くことができませんでした。
3回目の試験の前に、私は知識を固めるため徹底的にわからない箇所を調べ尽くしました。
合格はできたものの、そのために費やした時間は他の受験生と比べても圧倒的に多いものだと思います。
この記事を読んでいるあなたには、そんな思いをしてほしくありません。
一般のテキストに1周りも2周りも解説を加え、読む人全てが証券アナリスト試験[経済]を完璧に理解できる記事を書きたいと思っています。
 
この記事では、経済学を学んだことのない方へ向けて、証券アナリスト[経済]の合格のために解説していきます。
基本的に証券アナリスト試験を対象に記載していますが、公務員試験、中小企業診断士試験にも役立つ内容となっています。
 
証券アナリストのテキストや、書店で販売されている参考書は、経済学部出身など、ある程度経済を学んだことのある方へ向けて書かれています。
ですので、ところどころ説明が省略されていたり、練習問題の解説も「え、それ解説、、?」とツッコみたくなるような内容を見かけます。
 
例えば、ある参考書にはこのような問題と解説がありました。
 
問題
AD曲線を左にシフトさせる次の事項のうち、正しいものはどれですか。
A)金融緩和
B)拡張財政
C)海外需要の縮小
D)投資ブーム
 
答え
C)海外需要の縮小
 
解説
A)正しくない。金融緩和はAD曲線を右シフトさせる。
B)正しくない。拡張財政はAD曲線を右シフトさせる。
C)正しい。海外需要の縮小はAD曲線を左シフトさせる。
D)正しくない。投資ブームはAD曲線を右シフトさせる。
 
「いやいやいやーーー!なんでそうなるのーー?」
これって解説というのでしょうか、、、笑
 
このような参考書をを使っていると、だいたいのイメージで問題を解くか、逐一その意味を自分で調べて知識を固めるしかありません。
冒頭にも記したように、イメージで試験に突き進むと運よく合格する可能性もありますが、似たような選択肢や紛らわしい問題に対応できません。
また、自分で全てを調べようとすると途方もない時間がかかってしまいます。
 
当記事では前述の問題への解説を以下のように行おうと考えています
 
AD曲線について、「物価(モノの価値)が下がれば相対的にお金の価値が上がり、今までより裕福な暮らしができる(所得が増える)」という状況を示すため、
縦軸に物価、横軸に所得をとったグラフにおいて、右下がりになる線のことをいいます。
AD曲線の左へのスライドは、物価と所得が下がることを、AD曲線の右へのスライドは、物価と所得が上がることを示しています。
この知識をもって、選択肢紐解いていきましょう。
 
A)金融緩和 金融緩和はお金を新たに刷ったり、利子を下げてお金を借りやすくして、世の中のお金の量を増やすことです。
世の中のお金が増えると、相対的にお金の価値が下がります。つまり物価が上がります。また、人々が以前より多くのお金を手に入れることがきるので所得が上がります。
よって、物価も所得も上がるので、AD曲線を右にスライドさせます。
 
B)財政拡張 財政拡張は政府が政府のお金を使って公共事業などに投資をすることです。
政府のお金が民間に流れるので、相対的にお金の価値が下がります。つまり物価が上がります。民間が以前より多くのお金を手に入れることがきるので所得が上がります。
よって、物価も所得も上がるので、AD曲線を右にスライドさせます。
 
C)海外需要の縮小 海外からの需要(外国人が日本の車を買いたいなど、海外かた国内に向けての需要)が縮小すると、輸出が減ります。
輸出が減ると、今までにくらべて海外からのお金が入ってこなくなります。相対的に国内のお金が減るのでお金の価値が上がります。つまり物価が下がります。
また、国内のお金が減るということは人々が手にする所得も減るということになります。
よって、物価も所得も下がるので、AD曲線を左にスライドさせます。
 
D)投資ブーム ブームがおこると人々は貯蓄をやめ投資にお金を回します。
投資されたお金は企業に回り、そこで働く従業員の給与に回ります。従業員が以前よりより多くのお金を手に入れることができ所得が上がります。
また、世の中のお金が増加しお金の価値が下がります。つまり物価が上がります。
よって、物価も所得も上がるので、AD曲線を右にスライドさせます。
 
 
問題内容を取り上げ、更新していきますので、不明な点やリクエストがありましたらお教えてください。